2011年3月11日に発生した東日本大震災から10年が経ちました。
日本観測史上最大の地震と言われたこの地震では、原子力発電所事故や津波被害などの複合被害が相次ぎました。東北地域を中心に、建物の倒壊や浸水が発生し、19,747名もの死者、6,242名の負傷者、そして現在も行方不明者が2,556名というかつてない規模の犠牲者を出しました。
(震災伝承ネットワーク協議会事務局国土交通省東北地方整備局企画部HPより)
この未曾有の災害を経験したことのない世代が増え風化が懸念される中、震災の教訓を後世に伝え続けていくことが必要です。
今回は、〈東北ろうきん〉にとって「震災からの復興の象徴」とされる大船渡支店に設置された「東北ろうきん 東日本大震災 復興展示室」(以下、「復興展示室」という。)について、ご紹介をいたします。この復興展示室は、東北各地域の震災から復興までの歩みを心にとどめ、また東北ろうきんの震災時の対応を記録することを目的に設置しています。
1.大船渡支店について
大船渡支店は、津波により浸水する等、被害が大きい店舗の一つでした。被災当時、臨時休業や仮店舗での営業を経て、約3か月後に元の店舗で通常営業を再開しました。
2020年6月に現在の新店舗に移転し、当初から復興展示室を設置していましたが、新型コロナウイルス感染症が拡大していたこともあり、一般の方々への公開を延期していました。
今般、東日本大震災から10年を迎えるにあたり、十分な感染対策を講じ、2021年4月から一般公開を開始しました。
2.ブース紹介
復興展示室では、この10年で、東北ろうきんがお客さまとともに復興に向けてどのように歩んできたかを詳しく見学することができます。
展示室にはブースが9つあります。その中でも特徴的なブースをいくつかご紹介いたします。
震災当時の写真や新聞記事の展示ブースでは、被害にあった店舗の写真などから、震災の規模の大きさを感じることができます。震災当時の支店長による「生の声」が室された手記のブースでは、職員の安全を守りながら、業務再開に向けた支店長たちの奮闘された日々が伝わってきます。
また、被害に遭われた方のお金にかかる相談に対し、ろうきんとしてどのように寄り添い、生活再建に向けて支援したかを知ることもできます。
いずれも、震災の記憶を後世に伝えていくための貴重な資料です。
3.今後の展望(東北ろうきんより)
大船渡支店の復興展示室は、展示をご覧いただきながらお休みのとれるスペースもあり、近隣住民の憩いの場・コミュニティスペースとして提供できればと考えています。この公開が、今後の災害対応の一助になれば幸いです。
何より、この取組みには震災が風化せず、後世に伝えられていくようにという願いが込められています。
震災が発生してから10年という節目の年に、大船渡支店の復興展示室を訪れてはいかがでしょうか。
(復興展示室の様子①)
(復興展示室の様子②)
被災された方々に心よりお見舞いを申し上げるとともに、〈ろうきん〉は、今後も皆さまに寄り添い協同組織の福祉金融機関としての役割を果たせるよう尽力してまいります。
(東北ろうきん復興展示室のご案内についてはこちら)
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