ろうきんに関するILOレポート
「ILOレポート2019」の発行
2011年に、ILO(国際労働機関)は、「労働金庫:ファイナンシャル・インクルージョンを推進し、成功を収めている労働者組織の物語」と題したワーキング・ペーパー(ILOレポート2011)を発行しました。これは、労働金庫と労働組合が組合員の金融サービスのニーズにどのように応えてきたかをまとめたものです。
2019年に創設100周年を迎えたILOは、ILOレポート2011を改訂し、世界でもユニークな日本の労働金庫モデルについての分析・評価と教訓からなるレポート「Rokin Banks:70 years of efforts to build an inclusive society in Japan through enhancing workers' access to finance(労働金庫:日本において70年にわたり勤労者の金融アクセスを強化することで、包摂的な社会を構築してきた取組み)」(ILOレポート2019)を作成し、2019年3月に公表しました。また、当協会にてレポート対訳版を制作しました。
ILOレポート2019では、労働金庫の歴史に始まり、法的な枠組みや組織体制、商品サービス、様々な取組み事例を踏まえて、直面する課題や教訓が述べられており、労働金庫のこれまでの取組みは「ユニーク」であり、世界中の「労働組合、金融機関、その他の団体に素晴らしい閃きをもたらすもの」であると評価されています。
ILOワーキングペーパーNo.76(ILOレポート2019)
「70years of efforts to build an inclusive society in Japan through enhancing workers' access to finance/
日本において70年にわたり勤労者の金融アクセスを強化することで、包摂的な社会を構築してきた取組み」
「ろうきんシンポジウム~持続可能な社会の実現と労働金庫の役割~」
の開催
労働金庫はILO(国際労働機関)の協力のもと、2019年3月28日に「ろうきんシンポジウム ~持続可能な社会の実現と労働金庫の役割~」を開催しました。
このシンポジウムでは、2019年3月に公表されたILOレポート2019における労働金庫の国際的な評価について理解を深めるとともに、ILOレポートのインタビュー調査や執筆に携わった方々によるパネルディスカッションを通じて、労働金庫の社会的意義や存在価値、さらにはSDGs時代に期待される役割や展望が論議されました。 ご登壇いただいた方々から発言やビデオメッセージの要旨について、以下のとおり報告いたします。
1.ビデオメッセージ
(1)ヴァレリー・ブレダ/ILO社会的金融プログラム 技術専門官
(2)アリエル・グアルコ/ICA(国際協同組合同盟)会長
2.来賓挨拶
(1)田口 晶子/ILO駐日代表
(2)神津 里季生/日本労働組合総連合会(連合)会長
(3)勝又 博三/日本協同組合連携機構(JCA)代表理事専務
3.基調講演 「ILOレポートの要点と労働金庫への期待」
<登壇者>栗本 昭/ 法政大学 連帯社会インスティテュート 大学院教授
4.パネルディスカッション 「持続可能な社会の実現と労働金庫の役割」
ファシリテーター
田中 夏子/ 日本協同組合学会 会長
パネリスト
田口 晶子/ 国際労働機関(ILO)駐日事務所 代表
栗本 昭/ 法政大学 連帯社会インスティテュート 大学院教授
小関 隆志/ 明治大学 経営学部 准教授
仁平 章/ 日本労働組合総連合会(連合)総合企画局 総合局長
中江 公人/全国労働金庫協会 理事長