ろうきん全国労働金庫協会

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組織情報

ごあいさつ

2025国際協同組合年(IYC2025)を迎えて
Cooperatives Build a Better World -協同組合はよりよい世界を築きます-


 本年2025年は、国連が定めた国際協同組合年です。

 国連は、さまざまな分野で持続可能な開発目標(SDGs)に貢献している協同組合を評価し、その認知の向上と協同組合の振興を促すために、2025年を2012年に続く2回目の国際協同組合年(IYC:International Year of Cooperatives)に定めました。


 国連決議(2023年12月)では、協同組合に対する理解を高めるため、すべての加盟国・国連・その他すべての関係者が国際協同組合年を活用することを促すとともに、協同組合の持続可能な生産と消費、食料安全保障、気候変動対策、地域の人々への医療・福祉、働きがいのある人間らしい仕事(ディーセント・ワーク)の創出、すべての人が参加できる社会づくり(金融包摂、社会的包摂)などへの貢献を支援することを求めています。


 労働金庫は、生活に必要な金融サービスを受けることができなかった労働者や生活者が、その課題の解決のために自ら生み出し、築きあげた協同組織の福祉金融機関です。労働者が自主的に行う福祉活動(事業)として、労働組合や生活協同組合の運動とともに、働く人に寄り添う金融包摂の取組みを進めてきました。


 ろうきんの理念や社会的意義・役割は、約70年の歳月を経た今も色あせることなく、むしろその重要性は増しています。


 変化の速い、不確実性が高まる時代のなかで、感染症拡大による収入減少、突発的な水害・地震等の災害からの生活再建、マネートラブルや多重債務のリスクの増加など、働く人が直面する課題もまた変化しています。ろうきんでは、こうした課題に直面した方の生活を守る特別融資制度のほか、パート・有期雇用で働く方々に安心してご利用いただける低利な融資・支援制度や、育児・医療・介護に係る費用や休職中の生活費をサポートする融資商品等の提供、また正しい金融知識を身に付けるためのセミナー・学習会の開催などに取り組んでいます。


 一方、格差や分断・排除の動きのなかで、一つの組織だけで立ち向かうことが困難な課題もあります。IYC2025のロゴマークが「世界中の人々が互いに結びつく様子」を表現しているとおり、よりよい世界を築くためには、私たちがいかに“つながり”を創出し、深めていくかが重要です。


 「ろうきんビジョン2035~共感と協創~」では、ろうきんだけでは解決できない、「働くこと/暮らすこと」「働き続けること/生きがいをもって生活すること」に関わる様々な社会的課題の解決に向け、会員はもちろん地域の協同組合などと連携し、働く人の“安心できるくらし”の実現をめざすこととしています。こうした役割を発揮してこそ、労働金庫は働く人や社会から幅広く信頼され、不可欠な存在であると認められるものと信じています。


 今日の日本においては、農協、漁協、森林組合、生協、労働者協同組合、協同組織金融機関等のさまざまな協同組合が、相互扶助(助け合い)の精神に基づき地域で助け合いの輪を広げ、事業と活動を通じて持続可能な開発目標(SDGs)に貢献しています。


 国際協同組合年は、協同組合のアイデンティティを広く皆さまに知っていただく機会であるとともに、協同組合間の連携、また協同組合間のネットワークを超えた多様な担い手との新しい連携を加速させる契機でもあります。


 世界では脱炭素が共通課題となり、金融の分野においてもESGを重視した資金の流れが世界の潮流になりました。また、個人の行動においても、クラウドファンディングやエシカル消費など、相互扶助や社会性を意識したお金の使い方への共感・理解が進んでいます。協同組合であるろうきんの運営もまた、こうした相互扶助の精神による資金循環が息づくものです。

 IYC2025を契機に、まだろうきんや協同組合を知らない、利用したことのない方にも、その価値を広く知っていただくとともに、協同組合の輪を広げていきたいと思います。協同の経済圏を発展させ、未来を拓く1年とするために、私たちろうきんも自ら「変化」をつくりだし、持続可能で活力のある地域社会と人々が支えあう共生社会の実現に貢献してまいります。


2025年1月

一般社団法人全国労働金庫協会 理事長




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