〈九州ろうきん〉では、社会的課題である奨学金に関する諸問題の解決に向けて、労働者福祉協議会(以下、「労福協」といいます。)や労働組合などと連携した取組みを行っています。
具体的には、奨学金の返済額や返済期間を見直したい、子どもの奨学金を借換してあげたい、といった奨学金の返済などで悩みを抱える方のために、正規・非正規職員を問わず、全てのはたらく人を対象とする、低利な奨学金借換専用ローン「つなぐ」(以下、『借換ローン「つなぐ」』といいます。)を開発し、対応を進めています。
日本の奨学金問題の現状
奨学金問題の解決に向けた取組み
〈九州ろうきん〉の借換ローン「つなぐ」について
借換ローン「つなぐ」は教育ローンの一種で、勤続年数や年収などの借入要件はありますが、基本的には〈九州ろうきん〉の会員組合の構成員だけでなく、全てのはたらく人がご利用いただけるのが特徴です。
また、資金使途も、奨学金を借り入れた本人のみならず生計を一にする2親等以内の親族が利用した奨学金の借換資金などにもご利用いただけます。取扱期間は、2018年4月1日から2021年3月31日の3年間とし、融資限度額は1,000万円で、連帯保証人は不要としています。
借換ローン「つなぐ」の効果・実績
借換ローン「つなぐ」を利用することで、毎月の返済額や返済期間、利率など利用者の事情にあった返済プランを提案することができます。また、保証協会を利用することになるため、保証人が不要となり、現在、保証人となっているご親族の方が抱える返済に対する不安感・負担感や、奨学金利用者自身が抱える「ご親族に保証をしてもらっている」という負担感の軽減にも繋がります。
さらに、奨学金に関する相談をきっかけに、その他の様々なローンの見直しなどを同時に行うことで、利用者の可処分所得の向上に寄与することが期待されます。
借換ローン「つなぐ」の実績(2018年4月~10月)は、実行件数87件、実行金額は220,000千円となっており、毎月増加しています。
今後の取組み
奨学金問題への対策は、現在の格差社会が生む貧困の連鎖を断ち切ることにもつながります。一連の取組みは、労働組合に所属する方だけでなく、全てのはたらく人に対しても幅広く周知を行うことが求められています。
〈九州ろうきん〉では、奨学金問題の解決に向けて、借換ローン「つなぐ」の周知活動に加え、自治体への協力要請や、奨学金借換ハンドブック「家計の健康診断」の配布、CM(鹿児島県労福協制作)やDVD(佐伯支店 青年女性推進委員会制作)を活用した取組みも進めています。また、地域の労福協や労働組合などが行う奨学金に関する研修会に、職員を講師として派遣しています。
さらに、今後は、教育に掛かる資金や奨学金制度、教育ローン制度を知ってもらうための学習会などの開催も検討しています。奨学金やローンを借りる前に、よく内容を理解し、返済の計画などを立て、必要な分のみを借りるよう、金融リテラシーを高めていただくことが目的です。
〈九州ろうきん〉では、これまで取り組んできた「しあわせ創造運動」の一環として、奨学金問題の解決に向けた取組みや、はたらく人の多重債務防止に向けた金融教育に、これまで以上に力を入れていきたいと考えています。
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【主な関連するSDGsの目標】
〈ろうきん〉では、SDGs達成に向けた取組みを展開し、〈ろうきん〉に期待される協同組織金融機関としての役割発揮と社会への貢献を図っていきます。 ろうきんブログでは、随時、全国の〈ろうきん〉のSDGs達成に向けた取組みを紹介していきます。 「SDGsと〈ろうきん〉」の特設ページ(別ページに移動します) |
〈全国労働金庫協会 取材班〉