「人々が喜びをもって共生できる社会」
これは、全国の〈ろうきん〉が共通で掲げる「ろうきんの理念」にある言葉で、共生できる社会とは、性別や年齢、心身のハンディキャップなどに左右されず、共に暮らせる社会のことです。
そうした社会で生きていくうえでは、経済的な豊かさや趣味の豊富さなど、様々な喜びがありますが、最も大切なのは、誰もが社会において活躍できる場があって、地域やそこに住む人たちとのかかわりを持てるということかもしれません。
〈近畿ろうきん〉では、障がいのある方が"芸術"を通じて社会と交流する場として、地域のNPOと共催で「エイブル・アート近畿~ひと・アート・まち」を開催しています。
「エイブル・アート近畿」とは
「エイブル・アート」とは、「知的・身体的に障がいのある方による芸術活動、およびその作品。また、障がいのある方の芸術活動を推進する市民芸術運動」とされています。
障がいのある人たちが様ざまな自己表現によって創り出すアートには、人びとに元気や勇気だけでなく、癒しを与える力があります。それは福祉の面からはとらえられなかった素晴らしい世界です。
作品は多くの人びとに観ていただくことで輝きを増します。
〈近畿ろうきん〉では、2000年から「エイブル・アート」をムーブメントとして広げていくために「エイブル・アート近畿~ひと・アート・まち」を近畿2府4県で場所を変えながら、毎年開催しています。
2017年度の「エイブル・アート近畿」
今後の活動
「エイブル・アート近畿」は、障がいのある方だけではなく、アーティストや市民の表現を交えた複合的な企画であり、地域住民や子ども、NPOなど多くの人びとが参加しています。こうした活動の拡がりが評価され、優れた企業の芸術文化支援(メセナ)活動を顕彰する「メセナ アワード2006」において、文化庁長官賞を受賞しました。
このように地域やそこに住んでいる人たちと共に開催してきた「エイブル・アート近畿」は、今までエイブル・アートを「知ってもらう」ことを主な目的としてきましたが、今後はさらに障がいのある方が「アートを仕事に」できる環境を拡げていくことができれば、より社会との関わりを深めることができます。
〈近畿ろうきん〉は、障がいのある方も、ない方も、喜びをもって共生できる社会の実現に向け、これからも地域のNPO等市民団体との協力・連携関係を大切にし、地域社会に貢献する福祉金融機関であり続けたいと考えています。