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第88回国際協同組合デー記念中央集会が開催されました

2010年7月6日

第88回国際協同組合デー記念中央集会が7月6日、日本協同組合連絡協議会(JJC)の主催により、大手町の日経カンファレンスルームにて開催されました。
今年の国際協同組合デーは、女性の地位向上の国際的指針を示した「北京宣言」から15年となることから、協同組合運動への女性参加と地位向上、男女共同参画などをテーマに設定しています。

JJC委員長の茂木守・全国農業協同組合中央会会長の開会挨拶では、当協会が労働金庫業態を代表しJJCに加入したことが紹介され、「協同組合への期待はますます高まっている。広く一般の方々に正しく理解してもらえるよう取り組んでいきたい」と挨拶されました。

続いて、第88回国際協同組合デーに向けたICAメッセージ“Co-operative enterprise empowers women”(女性パワーが協同組織を支えます)が披露されました。
また、生活協同組合連合会コープネット事業連合による「男女共同平等参画推進の取り組み」、ワーク・ライフ・バランス推進のための「コープネット・アクションプログラム」、全国漁協女性部連絡協議会による「みんなで支え合うJF女性部活動の意義」、浜の環境保全運動(海浜清掃と「海草おしば教室」)や水産物の消費拡大活動の報告がありました。
記念講演では「協同社会の創造に向けて−ともに生きる世界−」をテーマに、内山 節氏(哲学者、立教大学大学院教授)から、要旨以下のご講演をいただきました。

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時代は今、曲がり角に来ている。市場経済の発展は、現代の人々を幸せにするのでなく、逆に格差を拡大させている。平等で協同的な世界を目指そうとすれば、先進国のさまざまな既得権は劣化する。
我々の社会の原点は生命活動であり、人の生命活動のつながりあいが社会であり、それが協同組合運動の原点だ。
NPOやボランティア組織でも、長く続けていると「組織」は本来の目的を見失い、「組織維持」が目的となってしまう。「協同組合」も何のための協同組合だったかのか、原点を絶えず点検しなければならない。

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第88回国際協同組合デー記念中央集会の講演の様子

国際協同組合デーとは

国際協同組合デーは、全世界の協同組合員が心を一つにして協同組合運動の発展を祝い、平和とより良い生活を築くために運動の前進を誓いあう日で、毎年7月の第1土曜日と定められています。
この国際協同組合デーは、協同組合運動の発展と普及を進める記念日として、当時の国際協同組合同盟(ICA)会長ゴードハート氏が中心となり、1922年10月ドイツ・エッセン市において開催されたICA中央委員会で討議・了承され、翌1923年、第1回国際協同組合デーが世界22カ国の組合員により祝賀されました。以来、世界各国でさまざまな祝典、講演会、音楽会等の催し・イベントが行われています。また、1995年のICA設立100周年に際し、国連も同日を「協同組合の国際デー」と認定し、各国政府、国際機関及び協同組合組織等に向けメッセージを発信しています。

  • ICAとJJC

協同組合は、人と人の結びつきによる非営利の協同組織で、さまざまな種類があります。消費生活協同組合をはじめ農業協同組合や漁業協同組合、森林組合、事業協同組合などが日本の代表的な協同組合です。

ICA(International Co-operative Alliance=国際協同組合同盟)は、1895年、世界の協同組合の連合組織として、ロンドンに設立されました。(現在の本部はスイス・ジュネーブ)2010年4月現在、ICAには、世界90カ国から農林漁業、消費者、信用、保険など、あらゆる分野の全国協同組合組織や国際機関など239団体が加盟しており、傘下組合員数は8億人を越える、国連においても認知された世界最大のNGO(非政府組織)です。

JJC(Japan Joint Committee of Co-operatives=日本協同組合連絡協議会)は、日本のICA加盟組織が、協同組合運動の連携と海外協同組合運動との連携強化を図ることを目的に1956年に設立されました。ICAの総会等への参加をはじめとした協同組合の国際活動に伴う連携・協力等の活動を進めています。
JJC会員団体は、日本のICA会員組織であるJA全中、JA全農、JA共済連、農林中金、家の光協会、日本農業新聞、日本生協連、全漁連、全森連、全労済、日本労協連、大学生協連でしたが、このたび全国労働金庫協会が新たに加盟し、13団体となりました。

以 上