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「金利規制について考えるシンポジウムin静岡 多重債務社会を打ち破ろう」が開催されました

2006年4月23日

全国労働金庫協会

シンポジウム風景

静岡県弁護士会主催・日本弁護士会共催の人権擁護大会プレシンンポジウム「金利規制について考えるシンポジウムin静岡〜多重債務社会を打ち破ろう〜」が、4月23日、静岡市にて開催され、弁護士、司法書士、被害者支援団体、被害者、労働組合、静岡労金、労金協会などからおよそ150名が参加しました。

シンポジウムでは、静岡県弁護士会消費者問題対策委員会の各委員より、
「法制度の概要と高金利被害の実態」
「貸金業界の動き・経営実態とこれまでの日弁連の意見」
「諸外国の実状等」
について、基調報告が行われました。

続いて、静岡県弁護士会クレサラ問題対策委員会の増田和裕委員長をコーディネーターに、宇都宮健児弁護士、金城学院大学大山小夜助教授、ジャーナリスト北健一氏、白井滿静岡県観光コンベンション室長(前県民生活室長)をパネラーとしたディスカッションが行われました。ディスカッションへは、当協会から広報渉外部推進役 勝又長生が参加しました。

(発言要旨)

「多重債務者は増加しており、自己破産がこの5年間で100万件となる異常事態が起きている。〈ろうきん〉は、『労働者の高利貸しからの解放』が設立の原点であり、これまでも多重債務問題に取組んできた。

組織労働者と未組織労働者とで、多重債務に陥る原因は異なるが、静岡労金の場合、2005年度だけで957人から多重債務に関する相談が寄せられた。

パネルディスカッションの様子

比較的恵まれているはずの大企業の組合員からの相談も多い。お金を借りるのに一番大切な『金利』で選ぶのではなく、動物や女性タレントのコマーシャルにより作り上げられたソフトなイメージのCMなどで『有名な会社だから』といって選んでいる。
多重債務が増える要因の1つには、家庭での金銭教育ができていないこともある。

『貸金業に関する懇談会』が4月18日に行った中間整理の中で、少額短期の利用はある程度高金利でもよしとする意見があったとされているが、少額・短期的でも1度利用すれば、すぐに長期的にくり返し利用する状態になるのは必然といえる。

多重債務に陥った人は、返済金を工面することしか考えられなくなってしまう。そうなれば当然、仕事には集中できないし、ミスやトラブル、業務上の事故が起きて報道されれば、風評リスクも高めることになる。企業はその事故の回復のために多大なコストを費やさなければならない。

会員労働組合の要請を受けて、消費者教育セミナーに講師として出向くことが多い。企業もこうした問題への関心が高く労使共催のセミナーとなることが多々ある。企業も、相談できる体制をとることがいかに大切か、考えてほしい。

労働者福祉中央協議会(中央労福協)を中心に取りくんでいる「金利引下げの運動」がたかまってきている。

弁護士会・司法書士会が取りくんできた運動をさらに大きくしていき、中央労福協の1000万人署名運動(労福協HPへリンク)をやりとげたい。」

最後に、日弁連高金利引き下げ実現本部事務局長である新里宏二弁護士が

「貸金業規制法は議員立法である。司法・行政の方向性は明らかになった。主戦場は政治・立法の場に移った。地方議会で採択をし、地域の声を地域の国会議員に伝え、地方から国会を包囲していく。

また、金利を下げるだけでなく、相談体制作り、相談にきてもらえる広報活動をやっていく必要がある。」

と、シンポジウムをしめくくった。

以上