トップ全国労働金庫協会ご案内 > プレスリリース一覧全国13労働金庫の2009年度決算概況について

全国13労働金庫の2009年度決算概況について

2010年7月8日

全国13労働金庫の2009年度(平成21年度)決算概況をとりまとめましたので、下記のとおりお知らせいたします(以下の計数は、特に断りのない限り全国13労働金庫の合計値・平均値です)。

特徴点(要旨)

前年度決算の減益要因であった保有有価証券の償却費用等が大幅に減少したこと等により、当期純利益は、対前年度比171億円増益(81.53%増)の382億円となりました。

預金及び貸出金残高は、預金が6,136億円(3.89%)増の16兆3,624億円、貸出金は4,983億円(4.64%)増の11兆2,183億円となりました。

自己資本比率は、資産(リスク・アセット)の増加により0.22ポイント減少し、11.15%(加重平均)となりました。

(注1)会計年度:2009年4月1日〜2010年3月31日、計数は単体ベースのものです。
(注2)本文内の各表については添付資料をご参照ください。

1.損益の状況 (表1)

業務純益は、貸出金利息を含む業務収益が増加する一方で、業務費用が大幅に減少し、対前年度比176億円(47.75%)増加し、546億円となりました(以下、増減は前年度との比較)。

業務収益は、資金運用収益中の預け金利息が16億円、有価証券利息配当金が18億円減少したものの、貸出金利息が26億円、国債等債券売却益が10億円増加したことから14億円(0.44%)増加し、3,338億円となりました。

業務費用は、預金利息が29億円(譲渡性預金利息を含む。)、国債等債券償却が77億円、同売却損が59億円、それぞれ減少したことから161億円(5.48%)減少し、2,792億円となりました。

なお、国債等債券償却や同売却損益等を含めないコア業務純益は、3億円の減益となる543億円となりました。

臨時収益は1億円減少し、臨時費用は、株式等売却損、同償却の減少等により39億円減少しました。これにより経常利益は、214億円(70.69%)増加し、517億円となりました。

特別利益は、貸倒引当金の戻入益等による6億円、特別損失は固定資産処分損、減損損失等による16億円を計上しました。

これらの結果、最終的には13金庫が全て黒字となり、当期純利益の合計は、2005年度以来の増益となる382億円を計上いたしました。

2.リスク管理債権等 (表2) (表3) 

2009年度末における全国労金のリスク管理債権の総額(注)は、1,256億円と68億円(5.76%)増加しました。(注)破綻先債権額、延滞債権額、3カ月以上延滞債権額および貸出条件緩和債権額の合計額

内訳では、破綻先債権及び貸出条件緩和債権が減少したものの、延滞債権及び3カ月以上延滞債権が72億円増加したため、合計では3期連続の増加となりました。

貸出金に占める割合(リスク管理債権比率)は、0.02ポイント上昇して1.12%となりました。

また、金融再生法に基づく開示債権額(貸出金以外の与信も対象)は、1,340億円となり、57億円、4.50%増加しました。

内訳では、破産更生債権額(これらに準ずる債権を含む)が16億円、危険債権が24億円、要管理債権が17億円それぞれ増加しました。

与信総額に占める開示債権額の割合は、前年度と同じ1.19%となりました。

3.主要利回等 (表4)

資金運用利回は、貸出金利回及び預け金利回等の資金運用勘定の利回が前年度を下回ったことにより、0.07ポイント低下し、1.87%となりました。

一方、資金調達利回は、預金利回の低下により0.02ポイント低下し、0.33%となりました。

経費率(分子:経費、分母:預金平残(譲渡性預金を含む))は、預金平残が伸びたことにより0.04ポイント低下して1.16%となりました。

預金・貸出金の利鞘収支である「預金貸出金利鞘」は、0.02ポイント縮小して0.82%となりました。これらにより、総資金利鞘(資金運用利回1.87%と資金調達原価率1.49%との差)は、前年度と変わらず0.38%となりました。

4.預金の状況 (表5)

2009年度末の全国労働金庫の預金(譲渡性預金を含む)残高は16兆3,624億円となり、金額にして6,136億円(前年度5,444億円)、率では3.89%(同3.58%)増加しました(平残ベースでは16兆1,729億円(5,503億円、3.52%の増加))。

流動性預金は、普通預金の増加により1,098億円(前年度634億円)、率では2.78%(同1.63%)増加しました。定期性預金(譲渡性預金を含む)は、5,038億円(前年度4,810億円)、率では4.26%(同4.24%)増加しており、引き続き定期性預金が預金量の増加を牽引する形となりました。

主力の財形預金は、38億円(0.10%)増加して3兆7,872億円となりました。財形貯蓄取扱い金融機関中のシェアでは、件数・金額とも引き続き第1位となっております。

なお、預金に預り資産(国債及び投資信託)を加えた取扱残高は、6,353億円(率では3.98%)増加して16兆5,777億円となりました。

5.貸出金の状況 (表5)

2009年度末の全国労働金庫の貸出金残高は、11兆2,183億円となり、金額にして4,983億円(前年度5,306億円)、率では4.64%(同5.20%)の増加となりました(住宅ローン債権の証券化分2,620億円を除く。平残ベースでは10兆9,574億円(5,175億円、4.95%増))。

内訳では、個人向け住宅ローンが増加の中心であり2009年度末では、726,781件(22,450件、3.18%増)、9兆5,989億円(4,876億円、5.35%増)となりました(貸出金全体に占める住宅ローンの割合は、全国平均で85.56%)。

また、教育ローンや自動車購入資金等の生活資金は、33億円増加して1兆3,021億円となりました。

労働金庫のCSR、社会貢献商品の一つである育児支援ローン(2006年7月より取扱開始)は、2009年度末では3,530件、18億円となりました。

2008年12月に取扱いを開始した就職安定資金融資、2009年8月以降に取扱いを開始した訓練・生活支援資金融資は、2009年度末では、それぞれ98億円(12,241件)、11億円(4,912件)の取扱実績となっております。

預金と貸出金(除く証券化分)の割合を示す預貸率(期末)は、68.56%と前年度を0.50ポイント上回りました。

6.自己資本比率

2009年度末の全国労働金庫の自己資本比率(単体)は、自己資本(分子)中の当期純利益は増加したものの、分母であるリスク・アセット(住宅ローン等)の増加により、加重平均で前年度を0.22ポイント下回る11.15%(前年度11.37%)となりました。

金庫別には、最も高い金庫で18.99%となっており、10%を上回る金庫は、前年度と同じ10金庫となりました。10%を下回る金庫についても、最も低い金庫で8.70%であり、全ての金庫が国内基準で求められる4%の水準を大きく上回っております。

(注) 2007年3月期から適用された、新しい自己資本比率規制告示に示された基準(バーゼルU)により計算を行っており、労働金庫は全金庫が標準的手法を採用しております。
なお、2009年度については、2008年度に続き自己資本比率規制を一部弾力化する特例(平成20年金融庁・厚生労働省告示第7号)に基づき、計算しております。

以上

【本件に関するお問合せ先】
社団法人全国労働金庫協会・企画統括部
難波(なんば)・小船(こぶね)・坂本(さかもと)
TEL 03-3295−6735