トップ新着情報一覧 >第9回国際協同組合同盟アジア太平洋地域総会に参加しました

第9回国際協同組合同盟アジア太平洋地域総会に参加しました

2010年9月2日

第9回国際協同組合同盟アジア太平洋地域総会が、2010年9月2日〜5日、国際協同組合同盟(ICA)本部、ICA各種委員会関係者、国際協同組合同盟アジア・太平洋地域(ICA−AP)加盟25カ国・69団体の代表者、政府関係者等約600名の参加により、北京国際会議中心にて開催されました。

日本からは、日本協同組合連絡協議会(JJC)加盟団体の役職員をはじめ54名が参加し、労金協会からは、鈴木英幸副理事長、鹿島健次企画担当部長、井ノ口登アドバイザーが参加しました。また、本総会において、全国労働金庫協会のICA加盟が報告されました。

合同開会式と第17回協同組合・政府間対話

9月3日には、第9回国際協同組合同盟アジア太平洋地域総会、第6回国際協同組合同盟アジア太平洋地域協同組合フォーラム、第17回協同組合・政府間対話、中国協同組合農産物展示会の合同開会式が行われました。
開会式では、ポーリン・グリーンICA会長が「2008年の金融危機で、金融機関は大きな打撃を受けた。しかし協同組合の金融機関は、健闘ぶりが目立ち、危機を乗り越えた。世界の協同組合のトップ300、すなわち『グローバル300』の事業量はGDP10位の国程度の経済規模に匹敵する。協同組合は、10億人のメンバーに支えられ、1億人の雇用を抱えている。我々は、経済的な力を持って、持続可能な将来を残すためにともに前進しよう」と挨拶しました。

合同開会式

グリーンICA会長と労金協会副理事長

ポーリン・グリーンICA会長(右)と
労金協会副理事長・鈴木英幸(左)

合同開会式に引き続いて、第17回協同組合・政府間対話が、22カ国の協同組合と11カ国の政府(イランインドネシアカザフスタンシンガポールスリランカ中国ブータンブルネイマレーシアモンゴルUAE、イスラエル、インド、英国、韓国、タイ、ニュージーランド、日本、パキスタン、フィリピン、ベトナム、ミャンマー/下線付きは政府関係者が参加した国)による対話が行われ、「協同組合が社会経済開発に欠かせない存在であり、雇用を通じて貧困問題にも貢献している。協同組合の設立を奨励すること、協同組合のユニークな活動と自立を認める法制度を作り、その環境を整えること、マイクロ・ファイナンスの推進、農協の育成、教育や研究など協同組合の土台となる政府によるサポートが必要であり、これらを求めていくこと」が確認されました。

第6回アジア太平洋地域協同組合フォーラム

9月4日には、第6回アジア太平洋地域協同組合フォーラムが開催されました。

フォーラムでは、ICA事務局長のチャールズ・グールド氏が「協同組合は、深刻な問題を解決してきた。世界的経済危機の中にあっても、協同組合は成長している。強靭性を持っている。多くの人が認識を持てば、協同組合のビジネス・モデルは成長のビジネス・モデルになる。営利企業が社会的責任、CSR、顧客サービス向上などを言うが、それは協同組合の真似に過ぎない。2012年国際協同組合年(IYC)は協同組合にとってのチャンスだ。日本をはじめいくつかの国で国内実行委員会が立ち上がった。2012年に語るだけでなく、チャンスを正しく活用し、協同組合が認識される存在にならなければならない」と協同組合の可視性とIYCについて提起を行いました。また、ICA会長のポーリン・グリーン氏が世界的な重要性の高まる協同組合について講演を行いました。

日本からは、三重大学大学院教授の石田正昭氏が責任ある市民社会としての協同組合と題して、おかやまコープ、JAいずも、佐久総合病院の取り組みを紹介したほか、インド、シンガポール、韓国から、各国の取組みについての発表が行われました。
フォーラムの様子

第9回国際協同組合同盟アジア太平洋地域総会

挨拶する鈴木副理事長

9月5日、ICA−AP会長兼ICA地域総会議長の李春生(リー・チェンセン)氏の議事進行により総会を開会しました。

総会の中で、現在加盟申請を行っている団体として労金協会が報告されました。

その際、当協会・鈴木副理事長が「全国労働金庫協会は、2010年8月末にICA会員資格委員会から加盟承認の決定いただきました。皆様の仲間に入れていただきましたことをたいへん嬉しく思っております。労働金庫は1950年に設立され、労働組合、消費生活協同組合、公務員の団体などを会員とし、そのメンバー約1000万人で構成されている協同組織の金融機関です。現在、預金は約2000億USD(17兆円)、貸出は、約1400億USD(12兆円)で、事業は順調に拡大しております。

バンセルICBA会長

バンセルICBA会長(右)

また、2008年のリーマン・ショック以降の危機的な状況の下でも、黒字を確保しております。このたびの加盟承認により、これからも優れた金融サービスを会員・組合員に提供し続けるとともに、健全経営に努めてまいります。2012年は、国連が宣言した『国際協同組合年』であり、また、ICA−AP総会を日本で開催する議案が本総会に提案されているところでもあります。労働金庫は、日本の協同組合とともに、世界の協同組合事業の発展に貢献してまいります。ありがとうございました」と労金の紹介、加盟承認へのお礼、IYC、次回地域総会に積極的に係わっていく旨決意表明をいたしました。

ICA−AP事務局長の崔燦鎬氏は「労金協会の加盟承認により、日本からの加盟団体は13団体になった。労金協会は、ICAメンバーとしてあらゆる委員会に参画できる。国際協同組合銀行同盟(ICBA)にも加盟できる。女性・青年委員会にも、大学キャンパス委員会にも参加できる」とコメントし、労働金庫がICAのさまざまな分野の活動に積極的に係わっていくことへの期待を示しました。こうした議論を経て、ICA‐AP総会は当協会をICA−APの会員とすることを承認しました。

総会の様子

チェ事務局長

崔燦鎬ICA−AP事務局長(左)

また、国際協同組合年に関して、JJC会長の茂木氏(JA全中会長)が「日本は、JJC加盟組織に未加盟協同組合を加え、学識経験者、マスコミなど幅広い委員構成で2012国際協同組合年実行委員会を立ち上げた」と報告、JJC副会長の山下氏(日本生協連会長)は「IYCに向けて戦略的使命を議論していきたい。IYCを単にイベントして終わらせてはならない。日本の実行委員会は、今後、都道府県レベルの実行委員会を設置する議論をしていきたい」と、IYCを協同組合発展のためのチャンスとして活用していく考え方を示しました。

最後に、次回のICA‐AP総会を2012年に日本で開催することが確認され、総会は閉会しました。

以 上