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全国13労働金庫の2007年度決算概況について

2008年7月11日

全国13労働金庫の2007年度(平成19年度)決算概況をとりまとめましたので、お知らせいたします。

最終的な損益は、当期純利益ベースでは全国合計で2期連続の減益(前年度比△53億円)となりましたが、引き続き13金庫全てが黒字であり、235億円の当期純利益を計上いたしました。

労働金庫は、ご利用いただく皆様へ最適なサービス提供を行えるよう、引き続き健全経営に努めてまいります。

(注1)会計年度:2007年4月1日〜2008年3月31日、計数は単体ベースのものです。
(注2)本文内の各表については添付ファイルをご参照ください。

(1)損益の状況 (表1)

本業部門の業務純益は、預金利息等の業務費用が増加したものの、貸出金利息等の業務収益の増加額が上回ったことから、前年度比35億円(8.48%)の増益となる453億円を計上しました(以下、増減は前年度との比較)。
業務費用は、経費及び一般貸倒引当金繰入額等が減少したものの、預金利息が前年度比で2.5倍増となる418億円となったこと、下半期における世界的な株価下落等により、国債等債券償却、同償還損が増加したことから、289億円増加して2,733億円となりました。
業務収益は、貸出金利息が135億円、預け金利息が95億円、有価証券利息配当金が27億円それぞれ増加したことなどから324億円増加し、3,185億円となりました。
臨時収益は、株式等売却益等の増加により7億円増加し、臨時費用は、個別貸倒引当金繰入額及び株式等売却損の増加等により70億円増加しております。
特別利益は、貸倒引当金戻入益の減少等により21億円減少し、特別損失は、減損損失の増加等により、9億円増加いたしました。
この結果、最終的な当期純利益は、53億円(△18.54%)の減益となる235億円となりました(引き続き13金庫全て黒字となっております)。

(2)リスク管理債権等 (表2) (表3)

2007年度末における全国労金のリスク管理債権の総額(注)は、1,174億円と61億円(5.48%)増加しました。

(注)破綻先債権額、延滞債権額、3ヶ月以上延滞債権額および貸出条件緩和債権額の合計額

内訳では、延滞債権が87億円増加しましたが、破綻先債権が2億円、3ヶ月以上延滞債権額が5億円、貸出条件緩和債権が21億円と、それぞれ減少しております。
これらリスク管理債権が貸出金に占める割合(「リスク管理債権比率」)は1.15%となり、前年度の1.10%から0.05ポイント上昇しました。
また、金融再生法に基づく開示債権額(貸出金以外の与信も対象)は、1,281億円となり、48億円、3.89%増加しました。
内訳では、破産更生債権額(これらに準ずる債権を含む)が21億円、危険債権が53億円増加する一方で、要管理債権が28億円減少しております。
この結果、与信総額に占める割合は前年度の1.21%から0.04ポイント上昇し、1.25%となりました。

(3)主要利回等 (表4)

預金利回は、前年度を上回る上昇幅(0.17ポイント)となり、0.28%に達しました。これにより資金調達利回も0.17ポイント上昇し、0.29%となりました。
資金運用利回は、市場金利の動向を反映して預け金利回および有価証券利回等が前年度を上回ったことにより、0.11ポイント上昇し、1.90%となりました。うち貸出金利回は、0.10ポイント上昇し、2.35%となっております。
経費率(分子:経費、分母:預金平残(譲渡性預金を含む))は、各金庫が経費削減に努めたことや預金平残の増加により0.05ポイント低下して1.24%となったものの、預金のコストを示す預金原価率(預金利回+経費率)は、預金利回の上昇により0.12ポイント上昇して1.52%となりました。
この結果、貸出金利回と預金原価率の差である「預金貸出金利鞘」は、0.02ポイント縮小して0.83%となり、総資金利鞘(資金運用利回1.90%と資金調達原価率1.53%との差)は、0.01ポイント縮小して0.37%となりました。

(4)預金の状況 (表5)

2007年度末の全国労働金庫の預金(譲渡性預金を含む)残高は15兆2,043億円となり、金額で4,228億円(前年度3,036億円)、率では2.86%(同2.09%)の増加となりました。
内訳では、流動性預金残高は3兆8,725億円となり、金額では213億円(前年度742億円)、率では0.55%(同1.96%)の増加にとどまりましたが、定期性預金(譲渡性預金を含む)残高は、金額では4,014億円(前年度2,293億円)、率では3.67%(同2.14%)の増加となりました。定期預金の増加が預金全体の増加を牽引する形となりました。
主力の財形預金は336億円(同0.89%)の増加ながら年度末残高は3兆7,772億円となり、前年度に続き件数(2007年度末契約件数3,139千件)・金額とも業態別シェアの第1位を維持することができました。
なお、預金に預り資産(国債及び投資信託)を加えた取扱残高は、15兆3,652億円となり、前年度比4,868億円(率では3.27%)増加しております。

(5)貸出金の状況 (表5)

2007年度末の全国労働金庫の貸出金残高は、金額で1,366億円(前年度3,431億円)、率では1.35%(同3.53%)増加して10兆1,893億円となりました。
増加の要因は、個人向け住宅ローンの伸長によるものであり、同ローンの期末貸出件数は680,576件(同0.77%増)、貸出残高は8兆5,679億円(同1.83%増)と、増勢を堅調に維持し、貸出金残高の84.08%を占めております。
住宅ローン債権の証券化は、2007年度中に新たに実施した1金庫を含む3金庫が実施しており、3月末残高は2,758億円となっております。また、預金と貸出金の割合を示す預貸率(期末)は、67.01%と前年度を0.99ポイント下回りました。
このほかCSR商品と位置づける育児支援ローンは、2006年7月から各金庫が順次取り扱いを開始し、2年度目となる2007年度末現在の実績は、件数、残高とも倍増し、1,785件、11.1億円となっております(前年度:809件、5.7億円)。

(6)自己資本比率

2007年度末の全国労働金庫の自己資本比率(単体)は、全ての金庫が国内基準で求められる4%の水準を引き続き大きく超えており、加重平均で11.52%(前年度11.79%)となりました。
当期純利益の減益や貸出金の伸長等によって、最終的には前年度比で0.27ポイント低下いたしました。
金庫別にみると、9.09%から最も高い金庫で18.66%に達しております。10%を上回った金庫は、前年度同様11金庫となりました。

(注) 2007年3月期から適用された、新しい自己資本比率規制告示に示された基準(バーゼルII)により計算を行っております(労働金庫は全金庫が標準的手法を採用)。

以上
【本件に関するお問合せ先】
社団法人全国労働金庫協会・企画部
難波(なんば)・小船(こぶね)・坂本(さかもと)
TEL 03-3295−6735