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全国13労働金庫の2006年度決算概況について

2007年7月17日

 全国13労働金庫の2006(平成18)年度の決算概況をとりまとめましたので、お知らせいたします。
 2006年度は、業容面では定期性預金と住宅ローンが堅調に増加する一方、収支面(当期純利益ベース)では預金利息(支払利息)の増加と特別利益の減少等によって2002年度以来4期ぶりの減益となりましたが、すべての金庫が引き続き黒字であり、全国13労働金庫の合計額で288億円の当期純利益を計上いたしました。

(注1)会計年度:2006年4月1日〜2007年3月31日、計数は単体ベースのものです。
(注2)本文内の各表については添付資料をご参照ください。

(1)損益の状況 (表1)

 本業部門の業務純益は、資金運用収益を含む業務収益が増加したものの、資金調達費用を含む業務費用が増加したことにより、前年度比115億円、21.60%減少し、417億円となりました(以下、増減は前年度との比較)。

 業務費用は、預金利率を引き上げたことにより、資金運用費用中、預金利息の支払いが前年度比で倍増となる91億円増となったこと、物件費の増加等により経費が45億円増となったことが主な増加の要因となりました。

 業務収益は、資金運用収益中、預け金利息が63億円、有価証券利息配当金が20億円、貸出金利息が19億円の増加となりましたが、全体では費用の増加を上回る増収とはなりませんでした。

 特別利益は、前年度の決算において60億円を計上した貸倒引当金戻入益が半減したことから33億円減少し、34億円となりました。

 特別損失は、固定資産の減損会計による損失が減少したこと等により6億円減少し、19億円となりました。

 経常利益は、業務費用を含む経常費用の増加により149億円減少して399億円となり、最終的な当期純利益は、125億円、30.36%の減益となる288億円でした。

(2)リスク管理債権等 (表2) (表3)

 2006年度末における全国労金のリスク管理債権の総額(注)は、1,113億円と16億円(1.49%)減少しました。

(注)破綻先債権額、延滞債権額、3ヶ月以上延滞債権額および貸出条件緩和債権額の合計額

 内訳では、延滞債権が96億円、3ヶ月以上延滞債権が1億円増加しましたが、破綻先債権が84億円、貸出条件緩和債権が30億円減少しております。

 これらリスク管理債権が貸出金に占める割合(「リスク管理債権比率」)は1.10%(注)となり、前年度の1.16%から0.06ポイント低下しました。

(注)上記は13金庫の比率であり、労働金庫連合会分を含めたリスク管理債権比率は1.07%(前年度は1.11%)。

 また、金融再生法に基づく開示債権額(貸出金以外の与信も対象)は、1,233億円となり、36億円、2.83%減少しました。

 内訳では、危険債権が58億円増加しましたが、破産更生債権額(これらに準ずる債権を含む)が65億円、要管理債権が27億円、それぞれ減少しております。
 この結果、与信総額に占める割合は前年度の1.29%から0.08ポイント低下し、1.21%(注)となりました。

(注)上記は13金庫の比率であり、労働金庫連合会分を含めた金融再生法に基づく開示債権比率は1.18%(前年度は1.23%)。

(3)主要利回等 (表4)

 預金金利の引き上げにより、預金利回は1991年度(1992年3月期)以来15年ぶりに上昇し、0.11%となりました。これにより資金調達利回も0.06ポイント上昇し、0.12%となりました。

 一方、預け金利回が0.20ポイント、有価証券利回が0.10ポイント上昇したものの、本業の貸出金利回は引き続き0.07ポイント低下し、2.25%となったことから資金運用利回は1.79%となりました。

 経費率(分子:経費、分母:預金平残(譲渡性預金を含む))は前年度と変わらず1.29%となったものの、預金利回に経費率を加えた預金原価率は0.06ポイント上昇し、1.40%となりました。

 この結果、貸出金利回と預金原価率の差である預金貸出金利鞘は、前年度比で0.13ポイント縮小し、0.85%となりました。

 総資金利鞘(資金運用利回1.79%と資金調達原価率1.41%との差)は、0.02ポイント縮小し、0.38%となりました。

(4)預金の状況(表5)

 2006年度末の全国労働金庫の預金(譲渡性預金を含む)残高は14兆7,815億円となり、金額にして3,036億円(前年度3,483億円)、率では2.09%(同2.46%)の増加となりました。

 内訳では、流動性預金残高が3兆8,511億円となり、金額で742億円(同2,609億円)、率では1.96%(同7.42%)の増加となりました。

 一方の定期性預金(譲渡性預金を含む)は、2,293億円増加(前年度874億円増)し、10兆9,303億円となりました(増加率は2.14%(前年度0.82%))。主力の財形預金は582億円(同1.58%)の増加ながら年度末残高は3兆7,435億円となり、前年度に続き件数(2006年度末契約件数3,181千件)・金額とも業態別シェアの第1位を維持することができました。

(5)貸出金の状況(表5)

 2006年度末の全国労働金庫の貸出金残高は、3,431億円(前年度2,207億円)、率では3.53%(同2.32%)増加して10兆526億円となり、初の10兆円台に達しました。

 増加の要因は、個人向け住宅ローンの伸長によるものであり、同ローンは件数で676,271件(同3.03%増)、金額で8兆4,201億円(同5.07%増)と、貸出金全体の83.76%を占めております。

 この結果、預金と貸出金の比率を示す預貸率(期末)は、68.00%と前年度を0.94ポイント上回りました。

 各金庫において継続的に取り組んでいるNPO(民間非営利組織)向けの貸出金残高(自治体提携含む)は6.5億円と、前年度と比べ45.13%増加しております(新規実行額は5.8億円)。

(6)自己資本比率 (表4)

 2006年度から適用された、新たな自己資本比率の告示に示された計算基準(バーゼルII)により計算を行っております(労働金庫は全金庫が標準的手法を採用しております)。

 2006年度末の全国労働金庫の自己資本比率(単体)は、全ての金庫が国内基準で求められる4%の水準を大きく超え、加重平均で11.79%(前年度9.77%(注:旧基準))となりました。個人向け住宅ローンが貸出金の大半を占める労働金庫では、新たな計算基準(バーゼルII)により住宅ローンを含む分母額が圧縮されたことによる押し上げ効果もあり、比率が向上する結果となりました。

 金庫別にみると、9.20%から最も高い金庫で18.82%に達しております。10%を上回った金庫は、前年度より5金庫増えて11金庫となりました。

【本件に関するお問い合わせ先】
社団法人全国労働金庫協会・ 企画部
難波(なんば)、小船(こぶね)、坂本(さかもと)
電話 03-3295-6735